●一つ目
一週間ほど前、2月17日の朝日新聞の文化欄に図書館の問題が掲載されました。
「新刊本がうれなくなったのは図書館の貸し出しが一因」なので、「貸し出しを猶予を求める」文書を一部の出版社や作家がまとめようとしたことに対し、図書館側が反発しているという問題です。
この問題は、2000年頃に大きな論争となり、4年ほどの時間を経て収束したかと思われたものでもあります。
その経緯と今日的整理を、「出版ニュース 2016年2月中旬号」に「図書館の発展は出版文化も発展させる」として元広島女学院大学准教授の田井郁久雄氏がされています。
朝日新聞の記事では、立命館大学の常世田良教授が明解に断じています。
「(出版社)の売上減は、図書館を利用しない大多数の人が、出版物に対し厳しい評価をしていることが大きく影響しているのではないか」
本が売れたら、その良さを自慢する人が、売れない原因を他者に求めるのだと、私は思っています。

●二つ目
Amazonの売れ筋ランキングが、新聞の広告や、Facebook上などで、よく取り上げられています。
私も、「あえて」引用することがあります。
「無邪気」に書いている人もいます。

Amazonの売れ筋ランキングは、その算出方法が公開されていないこともあり、なかなか不可解なものです。

先日Amazonでややマイナーな教育雑誌を買いました。
その雑誌の在庫は1冊でした。
あわてて、すぐに注文しました。
そのとき、この雑誌はどれくらい売れているのだろうと思い、順位を確認すると、本の総合順位で815,225位でした。
Amazonには150万から200万程度の種類の本が登録されているのではないかと推察しています(これも公開されていないので、はっきりしません)。
私が残りの1冊を午前中に買ったその雑誌は、夕方には本の総合順位57,059位になっていました。
1冊売れることで、758,166位上がりました。
その翌日は、175,947位。
翌々日は、244,391位。
もうやめましたが、最大瞬間風速がかなり大きな判定要因になっていることは間違いなさそうです。

●三つめ
Amazonについては、いろいろな評価があります。
私は、Amazonに感謝しています。
消費者として、供給者として。
Amazonの仕組みは、もともと日本の取次制度とは親和性が低いのではないかと思います。
私は、取次を通さないe託販売を使って、直取引をしています。
そのおかげで、自分のもっている数少ない強みであるフットワークの軽さを、発揮できています。