2014年7月19日付朝日新聞夕刊一面に「名刺にひと手間『逆に新鮮』 活版印刷、再び脚光」という記事が掲載されました。

この記事の中に出てくる「印刷博物館」は、印刷の歴史から今日の技術まで見ることができ、楽しいと思える人にはとても楽しい博物館です。

以前、この印刷博物館に行ったとき、活字の「文鎮」を買ってきました。活字を何個か並べて、ひもで結わえただけのシンプルなものですが、活字のチョイスにセンスが感じられ、これまた楽しいものです。
私が買ってきたのは、これです。

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活字ですから、当然逆版になっていて読みづらいと思いますが、分かりますか?
正解は、こちらをクリック!
10年以上も前に買ったと思うのですが、何だか今の心境にぴったりです。

活字と聞いて思い出すのは、30年近くも前に買った詩集「太田朴翠詩集 植字工覚え書」(青磁社発売)です。
当時、何かの書評に掲載されていて知り、購入しました。
真っ赤な布に金の箔押しが、心をざわざわとさせてくれる装丁です。
その詩集の中に「誤植」という詩が収められています。
最後の部分を引用します。
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おれの仕事場 目の前の
生きもののように きらきらした活字に
誤植はないか 誤植はないか
おれの生きざまに誤植はないか--と
おれは おれに向き合って 考え問い続ける
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時代は変わって、モニターを見つめながらキーボードを叩く日々ですが、その志だけは、先人に負けないようにしなくてはいけないと自戒する日々です。