◇◆2019.08.12発行◆◇
◆◇中村堂創業満6年記念出版◇◆
◇◆「『教育』を解き放つ」ニュースNo.06◆◇
今号では、「『教育』を解き放つ」に掲載する対談15本のうち、
菊池 省三先生と柴田愛子先生との対談
【dialogue05】子どもを育てるのではなく、人間を育てる
を紹介します。
【対談者】柴田愛子(しばた・あいこ)
「りんごの木」代表。東京の私立幼稚園で10年間保育をした後、1982年に子どもに関わるトータルな活動をめざして、3人で「りんごの木」をスタートさせた。「子どもの心に寄り添う」を基本姿勢にしている。主な著書に、「けんかのきもち」(ポプラ社)、「あなたが自分らしく生きれば、子どもは幸せに育ちます」(小学館)、「今日からしつけをやめてみた」(主婦の友社)等、多数。
筒井勝彦監督のドキュメンタリー映画「こどもこそミライ」に収められた「りんごの木」の子どもたちの話し合いの場面は、衝撃的です。そんな子どもたちを育てる「りんごの木」は、2018年夏に開催した「第28回夏季セミナー」で、筒井監督による菊池省三のドキュメンタリー映画を上映しました。映画や菊池の著書に共感した「りんごの木」代表の柴田愛子先生と菊池の対談が、筒井監督の紹介により実現しました。
対談は、2018年10月12日に神奈川県横浜市内の会議室で行われました。
【対談から】
柴田 子どもたちは、見えない部分でかなり重圧を受けていると思います。その見えない部分に敏感な子が不登校になります。小一プロブレムの解決のためにと、幼保小連携事業が行われていますが、そうした会議に参加するたびに、何をする事業なのかと毎回思います。共有されているのは、方法的なことだけです。子どもを信用していないの一言に尽きるのではないかと思います。
菊池 みんなで答えをつくる喜びの体験は、子どもの中の芯になります。ほめ言葉のシャワーや学級ディベートは、子ども同士による評価をします。これまで、評価権は先生のものでした。教師が減点法による評価をしていて、主体的な学びとか自ら学ぶ子どもを育成すると言っても、それ自体が矛盾しています。「相手を嫌いになるのは、相手のことを知らないから」ということを戯曲家の平田オリザさんが言っていましたが、それを克服するのが「ほめ言葉のシャワー」の実践です。教師が子どもとの関係をしっかりとつくってもいないのに、いくら教師面して指導したとしても、子どもはちゃんと見ています。子どもを育てるのではなく、人間を育てるという視点が大切だと思っています。
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