教育とコミュニケーションについて考える 東京下町の二人出版社  Create New Value!  Create New Wave!

◇◆「『教育』を解き放つ」ニュースNo.16◆◇

◇◆2019.08.22発行◆◇
◆◇中村堂創業満6年記念出版◇◆
◇◆「『教育』を解き放つ」ニュースNo.16◆◇

今号では、「『教育』を解き放つ」に掲載する対談15本のうち、
菊池 省三先生と島田妙子氏との対談
【dialogue15】教師の元気が、子どもの元気をつくる
を紹介します。

【対談者】島田妙子(しまだ・たえこ)
1972年神戸市生まれ。一男二女の母。4歳の頃、両親の離婚で兄二人と児童養護施設に入所。7歳の時、父の再婚で家庭に復帰するが、継母と実父による壮絶な虐待が始まり、何度も命を落としかける。2010年末、心の支えであった次兄が白血病で他界。これを転機に兄の思いを引き継ぎ、「児童虐待の予防」にむけての自叙伝を執筆。また、「大人の心を助ける」講演活動を積極的に行っている。著書は、「虐待の淵を生き抜いて」(毎日新聞出版)ほか。

自身の被虐待経験をもとに、全国各地で貧困・虐待問題を中心に講演活動をしている島田妙子先生と、「一人も見捨てない教育の実現」をめざして、いじめのない学級、豊かな人間関係があふれた学級づくりに取り組んでいる菊池省三先生の二人が、安心・安全の場としての学校づくりについて語り合いました。

対談は、2019年1月12日に大阪市内の島田妙子氏の事務所で行われました。

【対談から】
島田 私は、小学校4年生のとき、担任の先生から「放課後、残って」と言われ、先生と二人だけになった密室で全く理由も分からないままに、いきなり強くビンタをされました。私は、その時、家庭では虐待を受けていました。給食を食べることができる学校だけが救いの場でしたが、その日以来、その先生と目を合わせることもできず、顔色を伺いながら、毎日びくびくして学校に行くようになり、安心できる場所がどこにもなくなってしまいました。その先生は、毎日一日中怒っていて、子どもながらに「いいのこんなことで」「学校って、何?」と思っていました。学校不信、大人不信になりました。今となっては、「あの先生、何があったんだろう」と思えるようになり、そういう先生を救ってあげたいとも思えるようになりましたが、この体験を通して、子どもにとって、学校が安心と安全の場であってほしいと強く思います。

菊池 教員の働き方改革が言われ、勤務時間の短縮や部活動の見直しなども行われていますが、学校制度の歪みだけでなく、教師の家庭、子どもの家庭の根幹が揺らいでいるように思います。ここへのアプローチが不可欠となっています。教師に余裕がなく、保護者にも余裕がない状況を反映して、子どもにとって家庭も学校も、安心できる状況ではなくなっていますね。大人も同じ状況です。先ほども少しお話ししましたが、私は現役時代、教員同士、お互いのプライベートの部分に思いを寄せることがなかったと反省します。教室の中だけの教師の在りようを磨き合うということには意欲をもっていましたが、家庭人としての教師という視点での想像力がなかったと思います。子どもを「みる目」ということがよく言われますが、教師集団として、教師がお互いの内面をどれだけ見ることができているかが、今の時代は特に問われているように思いますし、それがなくては学校の再生もないのではないかと思うのです。

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